日本の長期信用銀行は、税法上は倒産する宿命にあった。
このことはご存知です?
多分私のみが、こういう説を述べているので日本の法人税制が「倒産促進税制」であることはご存じないでしょう(笑)
長期信用銀行は企業に長期の融資をします。融資を受けた企業はすぐには倒産しません。
本来,法人税の納税義務は、当初の融資額以上の元利金の返済を受け、真の利益が発生してから発生するものです。
ところが、当初融資額(元本)以上の元利金の返済がなくとも、融資当初は「架空の利益」とも言える利息が得られます。
銀行はこの「架空の利益である利息」に対して法人税と住民税の課税を受けます。
そして、長期の融資期間中の途中で元本不履行が発生した場合には、過去の架空の利益に対しての納税分は納税者である銀行に還付されるべきものです。
というのは、法人税は儲かっている場合にのみ課税を受ける性格の税だからです。
ところが、大企業に関しては中間納税分を除いて、一旦払った法人税は還付されません。中小企業に関しても過去1年分しか還付はありません。
すなわち、長期融資の全期間では損をしているにもかかわらず、銀行は長期融資の当初の架空の利益に対して支払った法人税の還付を受けることができず、破たんしたのです。
しかし、1980年代までは一般的に銀行は、企業が倒産しても担保である不動産を処分し、融資元本を回収できていました。
ところが、1990年代のバブル崩壊後は不動産が暴落して、銀行は元本の大部分の回収ができなくなることが多くなりました。
当然儲かった時のキャシュフローは、他の企業に融資しているので、銀行も資金繰り破たんとなります。
短期融資であれば、企業の経営が悪化すれば、銀行は借り換えに応じないということで債権回収が図れます。
ところが、長期信用銀行は、約束の融資期間(例10年)中は、融資先が経営悪化して倒産が近々予測されるように事態になっても、融資金の中途返済を求めることができず、損失を被り、破たんに陥りやすいのです。
これらのことからを筆者は、長期信用銀行は税法上は倒産する宿命にあったと言うのです。
このような税法上の理由もあって、日本興業銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行は経営悪化しました。
先日㈱船井財産コンサルタンツ本社で講演されたKKRジャパン代表取締役社長蓑田 秀策(みのだ しゅうさく)氏の、日本人が元気になる話をご紹介しましょう。
バブル時の時価総額世界一の企業はどこであったでしょうか?
なんと、長期信用銀行である日本興業銀行のときもありました。
長期信用銀行が破たんし、多くの優秀な人材が中小企業の役員になったり、新たに新規企業を創設し、成功している事例がかなり多く発生しています。蓑田氏もその1人です。
まさに日本の倒産促進税制が銀行の優秀な人財をたくましいベンチャー企業に転出させ、日本をたくましく再生させるのです。
ところが、残念ながら、このような事例は多くはないのです。
このような理由もあって、日本はバブル崩壊後の失われた20年を克服できずにいます。
失われた20年の原因は、他にもあります。
その1つが日本人は、世界共通語である英語に弱いということです。
ところが、楽天は社内公用語を英語にしました。
英語により世界中から人財を集めます。
発展途上国の人は、給料は安いのに1日16時間勉強なり、仕事をする人が多いそうです。
豊かになり、やや怠惰になった日本人は発展途上国の貧しくて勤勉な社員に負けます。
ここで日本人は屈辱を受けます。
日本人は過去、屈辱を受けた時に、これをバネにして飛躍的に進歩しました。
明治維新では黒船の屈辱により、日本は世界の強国になった。
第二次世界大戦の敗北という屈辱により、戦後の超高度成長が達成し、日本は世界第二の経済大国になった。
英語力の不足等により日本経済の地位が大幅に低下し、外国人に日本の不動産や企業が乗っ取られます。
猛烈に働く外国人に負け、日本人は再度屈辱を受けます。
これにより、もともと勤勉で優秀な日本人は再度よみがえるのです。
すでに楽天本社がある品川の英会話学校は満杯とのことです。
日本の復活が始まったのです!
日本の本格的大復活は、屈辱を受けてから!
大きな屈辱を受け、数年後には日本を復活させようではありませんか。
以上は私見を交えて、倒産促進税制から近未来を予想したものです。
優良企業の倒産防止コンサルタント 税理士 竹本 正憲
2010年8月1日日曜日
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